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金曜日あたりに更新していきたいな。

【本】森美樹『主婦病』(新潮文庫)

日常の中にある人間らしさを、淡々と穏やかに描いた作品でした。

主婦病 (新潮文庫)

主婦病 (新潮文庫)

  • 作者:美樹, 森
  • 発売日: 2017/12/23
  • メディア: 文庫
 

この本は、ある6人についての物語が収められた短編集です。

母を不審な事故で亡くした少女。

変わったアルバイトを淡々とこなす主婦。

長年共に歩んだ夫の秘密を知った妻。

過去の出来事に未だ苦しめられる母。

夫とすれ違いの生活を行う妻。

初めて燃えるような恋を知る令嬢。

それぞれが心の中の生々しさや汚さを隠しながら、時には膨らみ上がって制御ができなくなりつつも、それでも日々を過ごしていく物語です。

その生々しさが、なんだか気持ち悪いけれど、それでも私の手を無理やりぐいっと引っ張るように物語が進み、気づいたら読み切ってきた。そんな読書体験でした。

 

この本を読み進める時の感覚は、まるで、幼いころに初めて、お隣の人が「こと」にいそしんでいる音を聞いてしまったときに似ています。

初めて人間の隠された姿に触れてしまった恐怖と後悔がぐるぐると身体中を駆け巡ります。でも、2、3日経ったあと、そのときの記憶が脳裏に焼き付いて離れないのに気づいて、しばらく反芻してしまう。その行為がなんなのか分からないけれど、もっと知りたいと思うようになる。そんな感じです。

 

加えて、この本は、6篇の物語が含まれる短編集でもありますし、6章で構成された長編小説でもあります。一つ一つの物語が何本かの糸で結ばれていて、その糸をたぐるとさらに違う側面が見えてくるお話です。

 

読んだ後も尾を引く面白さです。読んでよかった。

今日のダイエット

寒いから歩きたくない!

なので家に引きこもってました。ベイビーステップ。辞めなければ良いのです。

それではまた明日。おやすみなさい。