本とダイアリー

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原田マハ『さいはての彼女』

約1年ぶりにふらっと本屋に立ち寄ったら、原田マハさんの短編集を見つけた。と言うより、「へこんだ時、壁にぶつかった時、心をリセットできる一冊です。」というキャッチコピーが目に留まった。そのコピーがなんとなく気に入ったから、なんとなく買って読んでみた。

さいはての彼女 (角川文庫)

さいはての彼女 (角川文庫)

 
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涼香はもしかしたらやばいやつ…?

物語はとっても暖かくて優しい。ナギちゃんはとっても可愛くて魅力的で、その周りの人たちもとっても人間臭くって最高。でも、対照的に、涼香さんのヤバさが目立った。物語はほとんど涼香さん目線で進んでいくからあまり描かれてないけど、彼女、なかなかのクセものじゃない!?

まず、登場シーンからキツい。飛行場のスタッフに嫌味を言ったり、敏腕秘書が寿退社するのをあえてクビにしたりしてる。なかなか酷い…。

しかも彼女は、沖縄にバカンスで行く予定だったのに、バカンスの計画もしていたその秘書に騙されて北海道に飛ばされる羽目に。よくよく考えてみると、秘書にそんな酷い仕打ちをされるってことは、日常的に秘書をいじめてたってことじゃない…?もしそうなら、生粋のクセものなのでは…?

その上、彼女は旅先での出会いを通して、凝り固まってしまった心を徐々に溶かしていき、優しくなっていく。ことになってるけど、なんだかそれもどうだろうか…。最後まで上から目線だったし…。

彼女なりに苦労したり、挫折したり葛藤したりしてきた結果があの姿なんだろうけど、すこしトゲトゲしくて、見ていて辛かった。

ナギちゃんの魅力

涼香さんの愚痴ばっかり書いたけど、それを含めてもこの短編は面白い。それは、ナギちゃんの魅力がそこかしこで輝いてるからだと思う。

常に笑顔で、人のことを悪く言わず、何事も楽しむ、何事も諦めない、そして目の前の人たちを大切にする。まるで小学一年生のころにいわれた教えをそのまま守り続けたような純粋さ。純白な美しさ。なるほど、この子に会ってしまったが最後、涼香さんはもちろん、誰でも漂白されちゃうだろうなぁって思う。それくらいの魅力を持ってる。

ふと、読み終わった後に気がついたんだけど、私も少しだけ漂白された感じがしていた。その時に、あぁ、「心をリセットできる一冊」って、こう言うことなのねって思った。

読んでよかったなぁって思った。

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