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小野不由美『月の影 影の海(下)』

先週は『月の影 影の海(上)』を読んだので、今週はその続きを読んだ。先週の記事をまだ読まれていない方はこちらのリンクから。

月の影  影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)

月の影 影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)

 
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あらすじ

人目を避けつつ妖魔と戦う陽子は次第に満身創痍になり、ついに精魂疲れ果てて道に倒れてしまうが、偶然通りかかった半獣の楽俊に救われる。楽俊は陽子を介抱し、さらには海客の保護が手厚い雁国(えんこく)への案内役を買って出る。その道中、陽子と楽俊は妖魔と遭遇し、楽俊が怪我をして倒れてしまう。陽子は助けようとするが、騒ぎを聞き駆けつけた衛士から逃げるため、楽俊を見捨ててしまう。

陽子はその後、楽俊を見捨てた事を後悔するが、突然現れた青猿との問答の末、「口封じに楽俊を殺す」という選択肢を選ばなかった自分に安堵し、ずっと悩んでいた人との関わり方についての答えを得る。迷いが晴れた陽子は青猿を退治し、なくしたはずの鞘を手に入れる*1。陽子は来た道を引き返し楽俊を探しに行くが、再会は叶わなかった。

ひとり雁国へたどり着いた陽子は、先に雁国に渡っていた楽俊と再会を果たす。二人は雁国で暮らす海客・壁落人をたずね、そこで陽子が胎果*2であることを知る。その後、陽子と楽俊の何気ない会話がきっかけで、楽俊はケイキが慶国の麒麟*3「景麒」だということ、陽子の正体が真の「景王」であることを悟る。陽子との距離を置こうとする楽俊だったが、私たちの間には2歩分の距離しかないと陽子に諭され、接し方を改める事を止めた。

楽俊は延麒宛てに慶王保護の書状を送り、それを受けた延王・小松尚隆は直々に陽子を妖魔から助ける。延王は陽子に麒麟と契約した時点で神になっていること、日本に戻れば天意に背く事になり早死にし慶国の民がさらに犠牲になることを伝え、日本に帰るのか王座を望むのか選択を迫る。陽子は迷いの果てに慶国の王になることを決意する。

小中学生の頃に読みたかった

久しぶりに吸い込まれるように読んだ。おススメしてくれた友達Wさん、本当にありがとう~!!

ちょっと恥ずかしいけど、小中学生の頃はちょっと背伸びして読書をするのが好きだったので、そのころから近代日本文学を頑張って読んでいた。(もちろん物語の大枠すらつかめないし、なんで男女の仲があんなに複雑になるのかまったく理解できなかった...。若かった...。)なので、周りの子が児童向けのSF・ファンタジー小説を読んでいる間に、全く身にならない読書を繰り返していたのです。恥ずかしい。

そしてこの年になって改めてラノベとかを読んでみると、自分が小中学生の頃に悩んでいた事や考えていた事が物語の中に沢山ちりばめられているのに気づく。もし、自分が苦悩の真っ只中にいる時にそれらの作品と出会えていたら、何か変わっただろうなって思っちゃったりする。まぁ、背伸びして読んだ太宰治や三島由紀夫も、それはそれで大切だったんだろうなって思うけど。

陽子のきもち

私の人生は陽子に比べたら格段にイージーモードだ(たぶんほとんどの人がそうだと思う)けど、陽子が悩んだり考えたりすることは、程度の差こそあれど、一般的な中高生と全く変わらないなぁって思った。大きな選択を前に足がすくんだり、自分の至らなさに気がついて全てが嫌になったり、裏切られたり信用したり...。

しかもそういうパーソナルな悩みを抱く中高生のときって、ちょっとした見栄のせいでクラスメイトに相談できないし、かといって大人は全員敵だから相談できないし。だから一人で黒い何かを沸騰させ続けるしかない...。そのときの孤独感って人生の中で一二を争うくらい苦しいと思う。

そんなときに、陽子のように乗り越えた人の姿を見つけられたら、あぁ、ひとりじゃないんだなぁって思えるし、それが救いになったりもする。ラノベとか児童書の役割って、そういうものかなって勝手に思ってる。

 

ちなみに、「十二国記シリーズ」は2019年現在も続いている長寿作品だそう。他の作品もゆっくり読んでみたいなぁ。

*1:青猿の正体はなくしたはずの鞘だった。景麒が鞘をなくしてはいけないと言っていたのは、封印が解かれ、青猿みたいな幻覚を見せるから。

*2:もともと十二国の人間だが、生まれる前に蝕と呼ばれる天災によって別世界に探され、その世界の子供として生まれた人のことをいう。

*3:王の統治を補佐する神獣。王以外に頭を下げる事はない。

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